医師は出て行った。 「ちょっと聖、大丈夫? 失敗したら…どうなるの?」 「・・・それは、僕にも分からない」 「分からないって…」 その時、気づいた。 聖の手が、震えていることに。 不安なんだ。 聖が、誰よりも一番。 「…聖」 あたしは、聖の手をそっと包んだ。 「・・・頑張って」