「俺お前の隣かよー、今日ついてねー」


「は?なによ!私だってあんたの隣なんて望んでないわよ!」


などという声が次々に聞こえる。


「あ!ののかの隣、荒川じゃん!」


黒板を見ると確かに「荒川」の文字。


(え?え?まって!荒川くん?!
嘘でしょ、どうしよう。髪の毛変じゃないかなぁ。)


内心パニックになっている私から出た言葉は

「ねぇ優花、私の髪へんじゃない?」

「え?髪?別に変じゃないよ。
ってか、なに?急に髪なんて気にしだして」

「えっ?う、うん。まぁなんとなく?
気になっただけだよ!」

こんなに戸惑っている私は明らかに怪しい。

「ののか、あんたなんかあったでしょ?」

と優花。
さすが小学生からの仲。鋭い。

「べ、別に何にも?あ!優花は誰の隣?」

「私はさくらちゃんの隣だよー!
女子だし、さくらちゃんって頭いいからラッキーかも。」

うちのクラスは女子の方が人数が多い。
だから、女子同士が隣になる席もある。


「みんなー、黒板に名前貼ってあるから
その席に移動しなさい」


先生が言うと、みんな一斉に移動を始めた。
移動し終えて隣には荒川くん。


「初だね、荒川くん。よろしく」


「よろしくな、宮城」

こうやって始まった君との隣同士という関係。