倉庫に入ると下っ端くんたちに
挨拶された。



「「「皆さんおかえりっす!!」」」



これまた人が多いことで。

確か雷神って、300人近くの
人数が集まってると書いてあった。




実際見てみると、ホントのようだね…。





「…すごいでしょ??

私も最初はかなり驚いた
んだよね。
異世界かと思った」



コソッと結菜が話しかけてきた。



「……そうだね」



私は組員に囲まれてるから
日常茶飯事なんだけどとはいえず、
曖昧に返事をしておいた。



すると、総長様が下っ端くん
たちが集まっているのを確認
してから話し出した。



「おいお前ら、よく聞け。

今日は新しい姫を紹介する。
結菜とも友達なんだそうだ。

お前達の文句は一切うけつけねぇ、
姫としてしっかりとこいつを
守り抜け」



いきなりそんなことを言うもんだから
少し驚いてしまった。

自分より弱いヤツらに
守られるとか結構屈辱
なんだけど…。



「なんで、あんな地味な女が
姫なんだ……?」

「いや、結菜さんの友達で
総長が紹介した女からきっと
大丈夫だろう!」


「いやでも、見るからに
パンピー(一般人)じゃねぇか。
大丈夫なのか??」



ザワザワとし始める下っ端くんたち。


なにが、大丈夫なのかは知らないけど
私は全くもってどこをとっても
堅気な人間ではない。


この中の誰よりもパンピーなんて
言葉が似合わない女なのに
外見が地味ってだけでこんなに
騙されてくれるなんて、人って
本当にこわいよね。