「ほら」
新は私にヘルメットを渡してくれた。
「ありがと」
私はそのままバイクにのった。
あ、ヤバい。
ちょっと自然に乗りすぎたかな?
チラッと見渡してみると
皆すごく驚いている。
あー、失敗。
新に乗せてもらえば良かった。
「「「新が自分のバイクに
人を乗せた…!
しかも女を……!」」」
そっちか!
……新ってば本当に普段
どんなキャラなんだよ。
「ねぇ、シオン!
なんで俺らじゃダメなの!!」
理由は無いんだけど、
強いて言うなら
「うるさいから」
谷島凛も三好皐月もポカーンと
している。
荻原銀牙は大爆笑してるし、
無口くんも驚きを隠せないみたい。
北京澄は相変わらずイライラしてるし。
何こいつら、スゴい不愉快。
そう思った私は小声で新に黙らせる
ように言った。
「新、コイツらだまらせて。
めちゃくちゃ不愉快」
新も、眉間にシワをよせていた。
やっぱり新も嫌だったんだね。
「おい、倉庫に行くんじゃないのか」
新がそう言うと、
「行くぞ」
と、総長さんの合図で皆出発した。