「早く乗れよ久遠、
行こうぜ!」
「はいはい」
そう言って大和の車に乗り込む。
無駄に高い外車持ってんだから。
二十代前半で持っていい車
じゃないでしょ。
「久遠、どこ行きたい?」
「んーじゃあ、
最近出来たあのショッピングモール」
「了解!」
久しぶりに買い物なんて
するなぁ。
まあ、全部大和の奢り
なんだけど。
 ̄ ̄ ̄ザワザワ。
ショッピングモールに入ると
やたらと視線が私たちに集まってる。
「……大和、視線が…」
「気にすんな気にすんな」
「……チッ」
やっぱり大和と来たのは
失敗だったか…。
「あれ、もしかしなくても
五十嵐大和だよね?!!
私初めてみたんだけど!!
やばい本物???
めっちゃカッコイイ!!」
「やっぱり?!
さっきから気になってたんだけど
やっぱりそうだよね??!
まって、私隣の人もめっちゃ
好みの顔してるんだけど!!」
はァ…。
大和、もう気づかれてんじゃん!
ほんっとバカ大和!!
外では無駄にカッコつけちゃって!
クソ大和め!
イラついた私は大和を軽く
泣かせてやろうと思い、
大量のゲームを買わせてやった。
これで当分ゲームは
買わなくていいね!
今度新とやろう。
大和は、うん。
ほかの人には分かんないだろうけど
軽くじゃなく号泣レベルだね。
「あ、そうだ」
「なんだ??」
「私、多分月曜くらいから
雷神の倉庫行かなきゃいけなく
なるじゃん?
それで私、歓迎されてないから
ずっといたって暇なんだよね」
「お、おう」
サーっと青ざめる大和。
お、気づいたかな?
「漫画と小説も1ヶ月分
暇にならないように
買っておこうかな!」