「あ、あの!
総長に言われた女を
連れてきました!!!」
途端に皆の視線が私に集まった。
「シオン!!」
なんだ結菜いたのか。
「昨日の屋上にいた子じゃん!」
「ホントだっ!
何の用~??」
三好皐月や谷島凛やその他の
幹部達も勢揃いしている。
「てめぇ、何でここに
来てんだよ!!!!!!」
これは言うまでもなく北京澄。
なんでって、私も知らんわ。
すると、新と目が合った。
何で来たんだよって目が言ってるから
やっほー朝ぶりだねって
返してやった、目で。
新はもう呆れてしまってる。
私だって来たくなかったわ
こんなところ。
「そこの総長さんに呼ばれたから
来たんですよ。
要件はなんなんですか?」
なかなか答えない氷室光成。
早く言えや。
「てめぇ、何者なんだ」
は?
「結城シオン、女子高生
ですけど」
「てめぇのことは調べさせて
貰った。
なのになんの情報も出てこねえ。
一体何者なんだてめぇ」
もう調べられてたのか。
面倒なことになったな。
「だから普通に女子高生ですって。
ただ私、施設育ちだから
そういう情報が出てこない
だけじゃないですか?」
そんなわけないけどね。
ロックしてるの私だし。
「…信用できねぇな。
どうしても言わねぇって言うなら
条件がある。
お前、雷神の姫になれ」
は?
いやまじで何なのこいつ。
頭のネジ何本かぶっ飛んでる。
「光成!!
俺、こんなクソブス女が
姫とか絶対嫌なんだけど!!」
「ばか京澄!!」
アンタもブレないね、北京澄。
結菜、怒らなくてもいいよ
私も絶対嫌だから安心して。
「同じく私も、絶対嫌」
すると、総長は笑った。
「条件付きだ。
姫になるのは1ヶ月だけでいい。
それで、お前が怪しいヤツじゃねえ
って証明出来たらもう詮索しねぇよ。
…それに、これは提案じゃねえ。
命令だ」
最後の方に殺気を込めて言われた
おかげでなにも言い返せなく
なる北京澄。