スーハァー、
スーハァー…
スーハァー…!!
おそらく幹部室であろう部屋
の前で不良くんは
深呼吸をしている。
めちゃくちゃ気持ち悪い。
「早く入れよ…」
さすがにイライラしてそう言って
やった。
「ひっ、
すみませんっ!!
き、緊張してるんスよ!!」
分かったから早く入りなって。
イライラがピークに達したので
代わりに私がドアを開けてやった。
バァンッ!
豪快にね。
開けた後にすぐ不良くんの
後ろに下がって、いかにもこの
不良くんが開けましたって
雰囲気を作ってやった。
ざまあみろ。
「な、なんてこと
してくれるんスかぁ~」
もはや泣きそう
いや、泣いてるかも。
ちょっと悪いことしちゃったかな。
「…おい。
てめぇ、あんま調子のってると
殺すぞ」
そう殺気をたくさん込めて言ったのは、
総長の氷室光成。
不良くんは、
…もう死にそうだね。
膝がカクカク笑ってる。
「す、
…すみませんすみません!!!」
もはや、何なのこいつって目で
見ている幹部達。
「…うるせぇ、もういい。
何の用だ」
総長はお許ししてくれたみたい。
良かったね、不良くん。