帰ろうとす私に焦る不良。


まだ何かあんの?



「…いや!ちょっと待ってください!

確かにアンタにお礼はずっと
言いたかったんスけど、今話しかけ
てるのは別件のことですよ!」




別件?

とにかくあんまり長居させないで
ほしい。



「俺、雷神の下っ端なんスけど
総長からアンタを倉庫に連れてこいって
命令がきてるんスよ。

もしかしてって思ったらやっぱり
アンタだったって訳っス!!」




「はァ?」




いやおかしい。

確かに昨日ちょっと雷神様が気に触る
言い方しちゃったかとしんないけど、
倉庫に呼ばれるまでのことは
してないはず。


ついでに言うと
コイツ雷神だったのか。

迂闊だった

自分から関わりにいってるじゃん…。




「いやぁ、こんなこと
そうそうないっスよ??

アンタなにしちゃったんスか」




「何もしてない。

それに、行かない」



行ったところで私になんのメリット
もない。

面倒なことは嫌いなんだけど…。




「っ、本気で言ってるんスか?!

さすがに恩人のアンタでも
それは困るっす!!」


粘る不良くん。

いや、本当に行きたくない。



「無理」





「勘弁してくださいよ~!

今行かなかったら
アンタだって明日から大変な
思いするんスよ?!


毎日毎日倉庫に連れていくために
追いかけ回されるっスよ!


いくらアンタが強くたって
これは精神的にキツいっすよ~」