「デートとかデートじゃないとかこの際関係ない。雅は博正にとって特別な子。それだけですごいことなんだよ?」


楠葉に熱弁されて、なんとなくそんな気になってきた。


というか、博正の人気がそこまで高くなっていることにも驚きだった。


「わかったなら、立って!」


四葉に言われて、あたしはわけがわからないまま立ち上がった。


「はい、行こう」


楠葉があたしの手を握りしめて歩き出す。


「行くって、どこに?」


「トイレに決まってるでしょ。トイレ」


「トイレって、別に行きたくないんだけど」