「雅、よく聞いて?」


真剣な表情で楠葉がそう言うものだから、自然と背筋が伸びた。


「雅にとってはよく知ってる幼馴染かもしれないけど、博正は今学校内で人気急上昇中なんだよ? 狙ってる女子多数! わかってる?」


怒ったような楠葉の声色に、あたしは何度も頷いた。


「わかってるよ。昨日ファンの人たち見たし」


「そんな博正と一緒にいられるって時点で、みんなは雅のことが羨ましいんだよ?」


あたしは昨日感じた視線を思い出していた。


確かに、あの子たちはあたしを妬んでいるように見えた。