そう言う桜井君の後ろに先輩が迫ってきていた。


足音を殺し、そっと近づく先輩。


あたしは先輩にウインクし、合図を出した。


次の瞬間桜井君の体は先輩によって羽交い絞めにされていた。


「なにすんだ!」


気が付いた桜井君が叫ぶ。


けれどもう遅かった。


あたしは大声を出して笑った。


本当にあたしが改心したとでも思ったんだろうか?


こんな楽しい道具をあたしに与えておいて、説教ばかりの桜井君の言葉を、本気で聞きいれたとでも?