追い越されるくらいなら、相手を攻撃して阻止するんだ。


「そうかもしれないね。でも、あたしは他人がどうだろうと興味がもてない。ただ、自分がしたいことをするだけ」


「それって、実はすごくカッコいいことだと思うけど」


そう言うと、夏生は苦笑いを浮かべた。


「同年代の子からすればそうかもしれないけど、協調性がないと大人になってからの世間は冷たいよ」


夏生はどこか遠い目をしてそう言った。


家とかでなにかあったのかもしれない。


「夏生はなにか悩みがあるの?」


「あるよ。大きな悩みが」


「それって、どんな?」