「夏生……?」


「里菜、走るの早すぎ。今日倒れたんじゃなかったっけ?」


「だって……あのままじゃあたしも夏生もなにされてたかわからないし」


「あたしのため?」


そう聞かれると、なんだかくすぐったくてすぐに返事はできなかった。


「ありがとう里菜」


「そんな……。こっちこそ、ありがとう」


美羽たちの言葉を反発したのは、夏生1人だけだった。


だけど夏生はなんでもないような顔をしている。