雄大は目を見開き、そしてニヤリと笑った。


「まじで? なにそれ、お前好きな奴いたのかよ!?」


「無駄に大きな声出さないでよ」


あたしは雄大を睨み付けてそう言った。


けれど、そんな睨みは雄大には効果がない。


ニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべであたしの前の席に座った。


なんでこんな奴が間の席なんだろうと、ため息が出る。


「成美の好きな奴って誰?」


「教えるワケないでしょ」


雄大に知られたら1日中だって茶化され続けることだろう。


「なんだよ。俺にも教えてくれよ」


「なんで教えなきゃいけないの」


強い口調でそう言った時、雄大がなにか思い出したように「あ」と、呟いた。


そのままスマホを取り出して、あたしの机に置く。