「大丈夫だから」


あたしはそう言い、段ボールの中を見つめた。


ずっとこのままにしておくわけにはいかない。


重たくて移動もできないし、いずれ両親が帰ってきてしまう。


「……洋二」


意を決してあたしはその名前を呼んだ。


段ボールの中のアンドロイドがピクリと動く。


うずくまっていた顔が徐々に上を向き……その顔が、見えた。


「うっそ……」


最初にそう言ったのは成美だった。


成美は目を見開いてアンドロイドを見ている。


きっと、あたしも同じ顔になっていただろう。


アンドロイドは洋二そのものだったんだから……。