「うるさなぁ。黙っててよ」


今茶化されてもまともな反応なんてできない。


玄関のチャイムが鳴るのを今か今かと待っているのだから。


雄大と成美の2人がお菓子を食べる音だけが聞こえて来る。


その時だった。


ピンポーンと、代わり映えしない玄関チャイムの音が聞こえてきてあたしはハッと息を飲んだ。


待ち構えていたはずなのに、体が動かない。


「カレン!」


成美に名前を呼ばれてようやく腰が浮いた。


そのまま走って玄関まで出る。


すりガラスの向こうに荷物を持った宅配員の姿がぼやけて見えている。


ついに、届いた……!


あたしは大きく息を吸い込んで、玄関を開けたのだった。