「なんだよお前、だらけてるな」


そんな声がして顔をあげると、前の席に雄大が座るところだった。


「ちょっと気分が落ち込んでるの」


そう返事をして、また突っ伏した。


「どうした? 失恋でもしたか?」


その言葉にバッと顔を上げて雄大を睨み付ける。


冗談でも今言ってほしくはなかった。


あたしに睨まれた雄大はひるんだように表情をゆがめた。


「まじか。悪かった」


素直に謝られたら余計に傷つく。


「別に、失恋確定ってワケじゃないし」