本当にその通りだったね。


あのまま進んでいけば、こんなことにもならず、あたしの隣にはアンドロイドの洋二が立っていたのにね。


あたしは笑いながらフェンスによじ登って行った。


オレンジ色の太陽はすでに隠れて、サッカー部の声も聞こえなくなっている。


あたしは2人へ向けて振り返った。


あたしと優奈が手を繋いで立っている。


笑いながら、涙が出た。


優奈の愛情は底知れない。


本物のあたしが死のうとしているのに、その表情はとても幸せそうだったんだから。


その愛情にはきっと勝てない。


あたしも洋二のことが好きだったけれど、そこまで非情にはなれなかった。


「あたしの負け」


あたしは一言そう言うと、フェンスから手を離し、身を投げ出したのだった……。







END