「ねぇ、本当にカレンのアンドロイドがいるんじゃないの?」


あたしがいる目の前で成美が雄大へ向けてそう聞いていた。


「そうかもなぁ。でも、誰が持ってるかわからないから、止める事ができないよな」


雄大はそう言い、あたしを見てため息をはいた。


それからも、あたしの中からあたしが消えて行く感覚が常にあった。


好きだったお菓子が好きじゃなくなり、好きだったバンドに興味がなくなり、ツヤツヤだった髪の毛はカサカサになった。


アンドロイドのあたしはきっと今のあたし以上に、あたしらしいのだろう。