いつもと同じ顔の自分がそこに立っている。


けれど、笑おうとすると筋肉が引きつり、妙な歪みになってしまうのだ。


「なんで……なんで笑えないの!?」


指で無理やり口角をあげるが、それもうまく行かない。


目じりも上がりっぱなしで、常に怒っているような顔だ。


「笑顔を……取られたんだ……」


あたしのアンドロイドに、あたしの笑顔を取られたんだ。


洋二のときだってそうだった。


あたしがアンドロイドに笑顔になってほしいと思ったら、オリジナルの洋二は笑顔を失った。