そう思い、マスクの下で口角を上げてみた。


けれど、まるで筋肉が硬直してしまったかのように動かない。


楽しいという気持ちも湧いてこないし、笑顔になることができない。


「なんで……?」


多少の作り笑いくらい、いつでもしていたハズだった。


それすらも今のあたしにはできなくなっているのだ。


そのことに気が付いたあたしはトイレへと走った。


鏡の前に立ち、マスクを外して自分の顔を見つめる。