確かに、頬がこわばっているかもしれない。


「あたしに嫌がらせしてたの、知ってるよ」


「え……」


咄嗟の事に何度も瞬きを繰り返す。


優奈は小さく笑い声を上げた。


「カレンが洋二を好きな事も知ってた」


「本当に……?」


優奈がそこまであたしのことを見ていたようには思えない。


だって、優奈の周辺にはいつも色んな生徒たちがいた。


そんな状況であたしのことを見ているなんて、思えない。