グラウンドの様子をぼんやりと眺めていると、教室のドアが開く音が聞こえて来たので振り向いた。


そこに立っていたのは優奈だった。


少しきまずく感じて、あたしは咄嗟に顔をそむけてしまった。


「おはよう、カレン」


そんなあたしに気が付いていないのか、優奈はそう言ってあたしの隣へとやってきた。


こんな至近距離で会話をするのは、初めてかもしれない。


「サッカー部を見てるの?」


「うん、まぁね」


ぶっきら棒にそう返事をする。