それは朝起きた時から感じていた異変だった。


声が枯れている。


「どうしたのカレン、風邪でもひいた?」


ダイニングへと下りて行くとお母さんが心配そうにそう聞いて来た。


「そうかもしれない」


あたしはそう返事をして、喉に触れた。


イガイガしている感じはない。


痛みもない。


なのに、声が枯れている。