「でもダメだった。声が枯れて、サッカーを休みがちになった時に一緒にいてくれた優奈に、俺が甘えてただけだったんだ」


洋二が苦し気な声でそう言った。


「誰だって甘えたいときくらいあるよ?」


「でも……。それで相手を傷つけた」


あぁ。


きっと洋二は誰よりも優しいんだ。


相手を傷つける人間なんていくらでもいる。


相手が悪くなくても傷つける人間だっている。