「優奈はそうじゃなかったんだ」


不意に出て来た優奈の名前にあたしの心臓は嫌な音を立てた。


つい昨日の出来事を思い出す。


しっかりインプットされていなかったために不快な思いをした。


「だから付き合ってもいいと思えた」


「……そうなんだ」


あたしはグラウンドへと視線を移動してそう言った。


洋二はもともと自分目当てでサッカーの見学をするような子のことは好きじゃなかったんだ。