別に嫌いではないけれど、正直サッカー自体はどうでもよかった。


そこに洋二が入って、初めて好きだと思える。


「俺のことが好き?」


そう聞かれて、あたしは「へっ」と声を上げていた。


全身の血が沸騰しているように感じられる。


「俺のことが好きだから、サッカーを見に来てた?」


その質問にも返事はできなかった。


答えられるワケがない。


自分の顔が真っ赤になっているのがわかり、うつむいてしまった。