「あたしは洋二がサッカーしてるところ好きだったよ」


そう言うと、洋二が驚いたようにあたしを見て来た。


「あ、ごめん……。いきなりこんなこと言うと気持ち悪いよね。今の忘れて」


洋二に許可を取って部活を見学した事は1度もない。


こっそり見ていたことをすっかり忘れてしまっていた。


「いや、ちょっとビックリしただけ」


そう言って洋二は頭をかいた。


心なしか顔が赤くなっているように見える。


「少し、グラウンドを見てもいいかな?」


「グラウンド?」


「あぁ。サッカー部の奴らが練習してるんだ」