「自分もこんな風に冒険してみたいなって思うよね」


「そうなんだよな。読んでる間は辛い事も忘れられるし」


そう言う洋二は心なしか楽しそうに見えた。


「ねぇ洋二。よかったらあたしにも面白い小説を教えてくれない?」


「いいけど……」


「じゃあ、今日のお昼休みに図書室はでね」


あたしは半ば強引に約束を取り付けたのだった。