「洋二の好きな人は誰?」


そう聞くと、洋二は視線を空中へと漂わせた。


あたしはゴクリと唾を飲みこむ。


「俺の好きな人は……」


「誰よ?」


イライラしたように成美が言う。


「優奈」


その答えに全身から力が抜けて行くのを感じた。