「そうなんだ。風邪?」


「いや、病院へ行ったけど原因がわからないって言われた」


「原因がわからない?」


あたしは洋二の言葉に眉を寄せた。


一見風邪と同じように見えるけれど、そうじゃないようだ。


「あぁ。だからしばらくはサッカーもできない。最悪だよ」


洋二はそう言って大きなため息を吐き出した。


元気よく笑う洋二の姿はそこにはない。


「あのさ洋二……優奈のことなんだけど……」