「最近では家でも会話がほとんどないんだ。口を開けば勉強勉強でうるさいからさ」


「大変だね」


あたしはそう言って、洋二への暴力を思い出していた。


あれは必要な暴力なんだ。


あたしたち1人1人がちゃんと生きて行くために、必要なものなんだ。


「ねぇカレン」


「なに?」


「次のアンドロイドも不良品だといいねぇ」


成美はそう言ってニヤリと笑ったのだった。