アンドロイドの洋二は完全にあたしたちのストレス発散の道具になっていた。


よくここまで残酷なことができるものだと、我ながら感心する。


けれど、包丁で突き刺しても血はでないし、コンロで焼いてもすぐに黒こげになるだけで、悪い事をしているという自覚すら薄れていた。


手足を切断されて、顔からも配線が飛び出した状態の洋二が、視線だけをこちらへ向けている。


なにか言おうとして口を動かしているが、もう声も出ていなかった。


「これ、さすがにやりすぎたんじゃない?」


洋二を見おろしながら成美がそう言った。


「今度こそ返品できないかもしれないね」


あたしはそう返事をした。