けれど、起動してみたアンドロイドはやっぱりロボットで、洋二とはかけ離れている。


あたしはすぐに段ボールの中に入れられていた返品用紙を手に取った。


「え? もう返品するの?」


成美が驚いてそう聞いて来た。


「そうだよ。オリジナルの洋二を優奈に取られたから、あたしはこっちの洋二を完璧にする」


そう言い、アンケート用紙に《明るい笑い声がない》と記入した。


洋二がサッカーをしているときに時々見せる、あの弾けるような笑顔が好きだった。