「冗談だよ、分かってるって。2人を見たくないからでしょ?」


「わかってるなら聞かないでよ」


靴を履き替えてそう返事をした時、不意に成美が耳元に顔を寄せて来た。


「実はあたしも優奈のことは気に入らないんだ。あたしたち、一緒だね」


そう言い、フフッと笑う。


あたしは驚いて成美を見た。


成美は意味深な笑顔を向けている。


「2人を破局に追い込めるかどうかは知らないけどさぁ、嫌がらせくらいならできるよねぇ」


「嫌がらせ……?」


「そう! 好きな人を取られたんだから、そのくらいしても大丈夫でしょ?」