☆☆☆

学校までの道のりはやけに遠かった。


いつもの倍くらいの時間をかけて歩いて行く。


「あれ、カレン?」


校門が見えてきたところでそう声をかけられて振り向くと、成美が走ってくるのが見えた。


額には汗がにじんでいる。


「成美……」


「どうしたの、カレンも寝坊した?」


「そんなんじゃないし」


ムッとしてそう言い返し、再び歩き出す。