「あたしのことを好きになってって言ったじゃん!」


そう言って少女は跪いている少年の頬を平手打ちした。


パンッと大きな音が響き、少年は横倒しに倒れ込んだ。


「ねぇ? 聞いてる?」


少女は冷酷な声色でそう訊ね、横倒しになった少年のわき腹を踏みつけた。


少年は苦し気な表情を見せるものの、抵抗しようとはしない。


「ねぇってば? そもそもさぁ、もっと人間らしくなれば?」


少女は無抵抗な少年を蹴る、蹴る、蹴る。


隣では少女の友人がそれを見て笑っている。


少年は何も言わず、ただ空中を見つめているだけだった。