「お兄ちゃんお帰り!!」
「おかえり!」
「おかえり!」
「おかえり!」

「ただいま、はい晩ごはん」

「えーまたコンビニ弁当じゃん!」

「贅沢言うなよ」

2DKの家に男兄弟5人で暮らすとなると本当に大変だ。

成長していくにつれて部屋が少しずつ狭くなってる気がする。

だが、この空間こそが今の自分の支えであり、昼間に母親程の女と寝る苦しみを安らげてくれた。


「♪ピンポーン」

「お兄ちゃんお客さんだよ」

「新聞かセールスだろ、出なくていいよ」

「♪ピンポーン、ピンポーン」

「しつこいな、飯食ってんのに、悪いちょっとタカ君、出て帰らせて」

一番下の弟に頼むと喜んで玄関に走っていきドアを開けた、そして何回も使ってる言葉を言った。

「ウチは貧乏だから何も買えません!いりません!」

大抵のセールスはこの言葉で¨引く¨。

しかし返ってきた答えは意外なものだった。

「ち、違うの。お兄ちゃんのショウ君に用事があって会いに来たの」

-聞いたことのある声-

玄関に行くと岡村ナギサがいた。