中学の頃の男子なんていつもおちゃらけていたから男の人たちの真剣な顔は初めて見る。
本当に踊りが好きなんだなって気持ちが伝わってくる。


何もしていない自分にイライラして泣きそうになる。

ここで変わりたいって決心したんだ。


音楽が止まった。何があったのかと思い知らない間に俯いていた顔を上げようとしたら小顔の先輩裕也先輩が自分の髪をグシャッとさせながら大声で言った。



「やっぱり見られると集中出来ねえ」


「ちょっと裕也!それは言いすぎなんじゃ…」


言いかける颯先輩を無視して続ける。


「だってそうだろ?!はやく辞めねえかなー」

やっぱり辞めようかな。演劇も出来なそうだし。
弱い自分に負けそうになる。逃げないって決めたけど…怖い。