「おはよ~」
遅刻はしなかったけど、いつもよりギリギリの時間だった。
「おはよ~
…なんかイィことあった??」
真っ先につっこんできたのは、親友の愛美。
なんで、愛美にはわかっちゃうのかな…
今朝のこと、思い出すだけで恥ずかしい。
でも同時に不安な気持ちが増してくる。
“幼なじみだよ”
とは言ってくれたけど、
園田さんって人との関係はわからないままだった。
あたしは、幼なじみであって彼女じゃないから、そこまでは聞き出せないんだ。
「愛美、園田さんって知ってる??」
ブハッ
あたしが聞いたのは昼休み。
愛美は聞いた瞬間に、飲んでいたイチゴオレを盛大に芝生にぶちまけた。
「もぉ~愛美ったら汚い;;」
そう言われて手渡されたハンカチを受け取りながら、愛美は言う。
「急に何言い出すのかと思ったら-!!
あんたそれ、誰に聞いたの??」
「…優。」
「…知ってるよ??
一緒に歩いてた人でしょ??
未衣は知らないかもしれないけど、
ここら辺じゃ有名人だかんね~
園田 百合子は。」