公園が見えてきた…
「ここで大丈夫??」
最初より幾分話しやすくなった彼。
名前は唐木田くんって言うらしい。
「えぇ。
ありがとうございました。」
「…園田…だっけ??」
「あっ…はい。」
「…園田はいんの??
好きな奴。」
コクっ…
小さく頷いた。
「…私も正式にお付き合いしてるわけじゃありませんわ。
でも…」
「…でも??」
「…婚約者なんですの。」
一瞬、表情に出にくい彼の顔に
驚きの色が走った。
「…そぅ。」
彼がそう言った瞬間、
クラクションが鳴った。
「…あっ」
「…じゃぁ、また。」
「さ、さようなら。」
私達の挨拶は、簡単に終わった。
私と彼は、それきり。