だれかが大声で叫んだ。
みんなごちゃごちゃと移動を開始してる。




「百合子さん!!変わってくれない??」


申し訳なさそうにそう言ってきたのは、さっきまで私の腕を引っ張ってきた子だった。



「…えっ…えぇ。
どうぞ??」


空いてる席は…っと。


ちょうど
一番端の席が空いていた。


ちょうどいぃわ。

この方がきっと楽。


そう思って、その席についた。





ガタッ

隣のイスが音を立てた。

そこ座ってきたのは、
あのつまらなさそうな、クール君だった。







「…いぃ??」


ボソッと、低めの声。

「どうぞ??」


って言ってももう座ってるじゃない。



ハァ…とため息。

いい加減、帰りたいですわ…


「…つまんねぇ。」

隣で、またボソッとした声。

「…えっ??」


一瞬、心の声が出ていたかとまで思った…


けど…彼はこう言った。


「…マジで帰りたいんだけど。

こ-ゆ-の苦手。」


「…わ…わたくしも…
こういう会はちょっと…」


本音だった。

けど帰るわけにはいかない。

クラスメートのお願いなんだし…