「…ううん!!
なんでもない!!
あ~ぁ。
また変なこと聞いてるね~あたし。
本当どうしちゃったんだろ-??」
勝手にペラペラしゃべるあたしの口。
頬に、暖かいものが伝った。
涙がばれないように、とっさに下を向く。
「…遅刻しちゃうから、あたし行くね??」
前にいる優の横を逃げるように通り過ぎた。
瞬間―
ガシ…!!
うしろから腕をつかまれた反動で、よろけて
後ろに倒れ込んだ―
優に後ろから抱きつかれてるみたいな形になる…
「…なんで泣くんだよ…」
耳元でする優の声。
心臓が激しくうち、
ビックリして涙は止まった。
「…誤解すんな…」
必死に言葉を探すけど見つからない。
頭が完全にオーバーヒートしてる。
優に聞こえちゃうんじゃないかってくらい、心臓がうるさい。
頭んなかで優の声が反響してる。
誤解ってなにが…??
「…優??」
やっとそれだけ言えた。