気まずい。
昨日の延長で、言葉が出てこない。
優の押したエレベーターのボタンが点滅しだした。
もうすぐエレベーターがつく合図だ。
「…はよ」
「えっ…」
うそ…
いつもあたしからの挨拶が…
今日は優から言ってくれた。
「おはよ!!」
『おはよう』の一言だけなのに…
会話できたことがうれしい。
言ってもらえたことが嬉しい。
「優??」
エレベーターに乗り込みながら、あたしは優を背中に感じながら言う。
こうやってさりげなく
レディファーストで、
さりげなく
ドアを押さえててくれるところもスキ。
「昨日は変なこと聞いてごめんね??」
優と一緒のエレベーターはすごく狭く感じる。
…聞いてるのかな??
きっと聞いててくれてるよね??
エレベーターはどんどん下へ降りていく。
一階の電気が点滅し、ガラッとドアが開いた。