…大丈夫。大丈夫。


エレベーターに向かって歩く足取りが重い。


だって…
向こうから、優が来てるんだもん。


エレベーターを挟んで反対側に住んでる私たち。



眠そうな、目。
寝癖気味の髪。
急に伸びた背。



何年…隣にいたのかな。

どれくらい、言葉を交わしたかな。


いっぱい交わしたはずなのに…
あたしは、大事な言葉は何にも言えてないよ…??

何にも伝えて…ないのに...