やってきたのは、
私立礼想女学院。
西洋風の造りの校舎は、お嬢様感を引き立てちゃってる。
そりゃぁ、全国でも有名な女子校だからね…
校門からは、今にもにこやかに、
『ごきげんよう...』
とか言っちゃいそうな、かしこまったご令嬢たち。
この中でも、園田百合子は、上級っていうんだから…
ついて行けないわ...
…ってか来ない!!
もう、30分はここにいるのに...
だんだん、周りの痛い視線にも慣れてきたし…
もう帰っちゃったのかな~
ってかお嬢様なら、車での登下校って普通じゃない??
この門の前には、車なんて見当たらない。
もしかしたら、違う門から帰っているのかも....
そう思ったとき、
中から一風変わった和風美人が現れた。
…園田…百合子…
今時そんなんありか!!
ってつっこみたくなるようなパッツンの前髪。
日本人形みたいな長くて真っ黒な艶のある髪。
でも、それがしっくりきちゃうくらいな、美人さんだった。
一歩一歩、こちらに近づいてくる。
ちょうど、愛美の前を通り過ぎようとしたとき、愛美が声をかけた。