見上げるほど
高くなった身長。

造りはあのままなのに
男のそれとなった
端整な顔。

静かに穏やかに響く低い声。

洗練された物腰。

かつて見た彼をベースに
16年の歳月が
積み重ねられている。

「やっぱり
 あなたにお願いするのが
 間違っていたかしら。

 いやだわ、
 あなたにこんな話を
 するなんて。」