「英語の宿題のプリントも
 こっちの方にあるのよ。」

彼が覗き込んだ辺りには
数学のプリントが並んでいたが、
それ以外にも
国語と英語のプリントも
確かに並んでいた。
机3つ分の上に
広げたプリントは20枚に及ぶ。

ただ、
彼に指摘されるまでもなく
『良い様に使われている』感は
払拭できない。

それが溜息になって表れていた。

そんな大量の紙の上に
すらりとした
まだ少年の滑らかな手が
伸ばされた。

はっと顔を上げると
手の持ち主は
極上の微笑みを見せて言った。

「手伝いますよ。」