「多分 こうゆうの好きじゃないですか?」



何度目かにオレンジ色の看板を潜ったあたしに 直紀はCDを渡した。



「貸してくれるの?」



その洋楽のアーティストには見覚えがある気がする。



「あげますよ。多分 好きだと思いますよ」



少し得意そうに微笑む直紀。



「くれるの?!ありがとう!」



素直に嬉しかった。


何度か話すうちに 彼はあたしの好みを把握してきたようだ。

お任せでアルコールの注文をしても 確実にあたし好みに仕上げる。

そんな直紀が選んだCD 期待もする。