始業式が終わり、今年この高校に入って来た新米教師の長々とした意気込み話も終わり、友達と少し話してから玄関へと向かう。



「雨降ってるって!」

「嘘、傘持ってきてないよ?」



ほら、予想的中。


灰色で少し不気味だった空の色は黒っぽい雷でも落ちてきそうな色で、その雲の隙間から人を狙うようにして大粒の雨が降っている。


折りたたみだけど、傘がある、よかった。


俺は傘がなくて玄関口で溜まっている生徒たちをよけながら帰宅路についた。